中小企業診断士試験は、一次試験・二次試験と口述試験で構成されています。
中小企業診断士は、アドバイザーとして経営に関する幅広い知識を企業に提案していく資格なので、試験範囲はとても広いものとなっています。
今回は、勉強を始める前に知っておいて損のない一次試験の重要部分についてまとめてみました。
この記事の目次
中小企業診断士の1次試験の概要
二次試験は、論理的思考(ロジカルシンキング)が求められていますが、一次試験は中小企業診断士の基礎知識をみる試験なので、暗記を中心とした浅くて広い膨大な知識が求められます。
範囲が広い勉強法の難易点としては、
注意ポイント
「企業経営理論ばかり勉強していたら運営管理を忘れてしまった・・・」
ということが頻発します。
ここでは、そんなことにならないように中小企業診断士一次試験について、概要から効率的な勉強法までをまとめてみました。
1次試験は7科目
科目名 | 試験時間 | 配点 |
企業経営理論 | 60分 | 100点 |
財務・会計 | 60分 | 100点 |
運営管理 | 90分 | 100点 |
経済学・経済政策 | 90分 | 100点 |
経営法務 | 60分 | 100点 |
経営情報システム | 60分 | 100点 |
中小企業経営・政策 | 90分 | 100点 |
中小企業診断士の一次試験は「企業経営理論」 「財務・会計」 「運営管理」 「経済学・経済政策」 「経営法務」 「経済情報システム」 「中小企業経営・政策」の7項目という内容になっています。
試験時間は、科目によって異なりますが60分または90分と設定されています。
この試験時間というのが意外とくせ者なのです。
暗記科目の「運営管理」や「中小企業経営・政策」では90分もいらないのに、「企業経営理論」「財務・会計」などの考える時間を必要とする科目には60分しか与えられないのです。
そのため、中小企業診断士の一次試験は時間との闘いになるのです。
答えに早くたどり着くための瞬発力が、一次試験には必要になります。
一次試験7科目の合格率
一次試験の各科目を60点以上とることで科目合格となります。
ただ、グラフを見てもらうと、科目合格率が非常に低い科目が毎年1つあるのが分かるかと思います。
例えば、2013年の経済学・経営政策は問題を難しく作りすぎたために、平均得点が40点を下回ってしまいました。
そのため、全受験生にプラス4点を与える特別処置をしたのです。
一次試験では、7科目の中に40点以下が1つでもあると、その段階で不合格となります。
(いわゆる足切りですね。)
そえゆえ、苦手な科目を放置しておくと、苦手科目が難易度の高い年にあたってしまうと問答無用で不合格になる可能性がでてきます。
このことから、全科目をまんべんなく勉強する受験生がほとんどではないでしょうか。
中小企業診断士として働いていくには、幅広い知識を身に付ける必要があるので、このような試験制度になっているのだと考えられます。
受験生の立場からは非常に辛いですが、資格の目的を考えれば、理にかなった試験制度と言えますね。
科目合格・科目免除について詳細を知りたいと思った方は↓をどうぞ。
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一次試験の合格基準は「平均60点以上」
一次試験の合格基準は受験した科目の平均得点が60点以上であることです。
全ての科目で60点以上を取る必要はありません。
ただ、先ほども触れたとおり「1科目でも40点以下だと不合格」という足切り制度というのがあります。
ですので、どの科目も気を抜かずに勉強していきましょう。
中小企業診断士一次試験の勉強法
一次試験は、浅く幅広い膨大な知識を求められているので、7科目すべてのピークを試験本番に持っていくのは至難のワザです。
さらに、二次試験を目標とした勉強をするなら「二次試験で出題されない科目」は足切りされない程度の勉強量でクリアし、二次試験に関連が深い科目に照準を合わせなくてはいけません。
7科目を同時に進める勉強法
1番最初は、全ての科目を一周して、中小企業診断士試験の全体について把握しましょう。
どの道1回の勉強で完全理解するのは不可能なので読み込む必要はありません。
どんな科目でも、継続的な勉強をすることで知識がインプットされますからね。
ただし、一次試験には足切りがあるので「苦手科目に全く手を付けることなく得意科目だけ伸ばしていく」という方法は決して推奨できません。
しかし、毎日7科目すべてを勉強するのは、非常に厳しいですよね。
たとえば、数問ずつ解いたとしても7科目では、けっこうな時間になることが予想されます。
ただ、注意しなくてはいけないのは、無計画な勉強をしているとやりたくない科目が無意識のうちにおろそかになることがあります。
おすすめは、事前にカレンダーに「その日勉強しなきゃいけない科目」を計画的に書き込んでおくと、勉強量に偏りがうまれず、自分自身を管理しながら勉強することができます。
「財務・会計」「経済学・経済政策」「企業経営理論」の勉強法
足切りを食らわないようにしなくてはいけませんがすべての科目を同じ配分で勉強するのは非効率的ですよね。
そこで、重要なポイントとなるのは、以下のようなことです。
「財務・会計」「経済学・経営政策」「企業経営理論」の3つの科目のうち、毎日1つの科目は必ず触れるようにします。
理由は、この3つの科目は頻繁に触れていないと雪崩のように内容を一瞬で忘れてしまう科目だからです。
勉強に限ったことではないですが、1度感覚を失ってしまうと、もとに戻すまでかなりの時間を要します。
本来であれば、3科目については毎日勉強してほしいくらいですが、時間的にそれは難しいので、最低でも1つは触れてほしいですね。
暗記科目のように、それぞれの知識の繋がりが薄ければ問題ないのですが、「財務・会計」「経済学・経営政策」「企業経営理論」は問われる知識が複数の単元とからみあっているので、1つ忘れてしまうと全然得点できないという事態に陥ります。
例えば、高校数学で二次関数の解き方を忘れてしまったら、いくら他の知識があったとしても三角関数や漸化式は絶対解けませんよね?
「財務・会計」「経済学・経営政策」「企業経営理論」はそれに似ていて1つ忘れてしまうと解けなくなってしまう危険があります。
2次試験に出題される科目を重点的に勉強しよう
1次試験の直前は2次試験を視野にいれた勉強をする必要があります。
なぜなら、
試験日程
8月 一次試験
9月 一次試験合格発表
10月 二次試験
上記のように予定されているからです。
このように一次試験から二次試験までの間はほとんどありません。
一次試験が終わってからの二次試験対策では遅すぎるため、合格するのは非常に厳しいといえます。
だからこそ、一次試験の直前は「二次試験に出題される科目」を中心に勉強するべきです。
二次試験で問われるのは、「企業経営理論(事例Ⅰ・Ⅱ)」「運営管理(事例Ⅱ)」「財務・会計(事例Ⅳ)」です。
二次試験では、論理的思考力(ロジカルシンキング)が問われるため、一次試験よりも内容の濃い実践的な試験となります。
ですから、一次試験が終わってから、科目の基本について確認しなくてすむためにも、直前に「企業経営理論」「運営管理」「財務・会計」を中心に勉強していきましょう。
人によって短期合格の期間は違う
中小企業診断士試験は合格までに平均1,300時間かかると言われています。
この勉強時間を有効かつ効率的に確保したいですが受験生の事情によって勉強にあてられる時間は大きく異なります。
学生であれば、生活の一部を改善することで多くの時間を勉強にあてることができます。
しかし、家庭があったり仕事をしている受験生では十分な勉強時間を確保できませんよね?
中小企業診断士試験では、そんな人達のために科目合格・科目免除制度というのを採用しています。
たとえば、1年で合格しようとすると1ヵ月100時間以上勉強が必要ですが、科目合格・科目免除制度を活用して3年間使うことで、1ヵ月あたり36時間程度の勉強時間で中小企業診断士になれるのです。
中小企業診断士の平均的年収は740万円なので、資格取得すれば間違いなく経済的にも好転するでしょう。
しかし、大切な人や家族に迷惑をかけるまで勉強に打ち込むのでは、本末転倒であると言えます。
これは、診断士試験に限らず、仕事や勉強に打ち込みすぎたために不幸になっている人間も同様です。
あなたに合った期間を確かめて、無理のない範囲で本気で勉強しましょう。
科目合格を使うのならテキストは診断士ゼミナールを絶対に選びましょう。
なぜなら診断士ゼミナールは1度購入すると3年間最新のテキストを提供してくれる「3年間受講延長無料制度」があるからです。
診断士試験は時事問題や制度改定がよく出題される試験なので毎年最新のテキストが必要な資格試験です。
ただ、(古いとはいえ)すでにテキストを持っているのにまた大金を支払うのには抵抗がありますよね?
診断士ゼミナールなら3年間最新のテキストが提供されるので科目合格と相性が良いです。
科目合格を使って戦略的に合格したい人や1年で合格できる自信がない人はぜひ↓の記事も読んでみてください。
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