中小企業診断士とは

中小企業診断士を取得することの現実的なメリットとデメリット

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中小企業診断士は、企業の経営に関する知識を身に付けることで幅広く活躍することができます。

そおため、現在の仕事だけではなく「キャリアアップ」「転職」「独立」したいビジネスマンから「新たに取得したい資格」で第1位、AIの入り替りの出来ない職種とされています。

しかし、合格率は15~25%の狭き門となっています。

中小企業診断士は、経営のアドバイザーとして人気のある国家資格の割には、決して知名度も高くないためメリットについてあまり知られていません。

今回、私キジマが中小企業診断士に合格してから感じたメリットとデメリットについて、具体的にお伝えします。

 

キジマの中小企業診断士登録証

 

中小企業診断士になる3つのメリット

中小企業の発展の手助けをする中小企業診断士は、幅広な知識やスキルを活かすことで、多くのメリットがあると言われています。

ここでは、代表的なメリットについて3つ紹介します。

 

論理的思考力(ロジカルシンキング)が身に付く

中小企業診断士と他の資格試験との大きな違いは暗記だけで合格できないというところです。

試験には、一次試験と二次試験があり、一次試験はマークシート方式なので暗記が通用しますが、二次試験は4つの「事例問題」について、それぞれ与件文を2,000~3,000文字にまとめなくてはいけません。

そのためには論理的思考が出来ないといけません。

この論理的思考力をいかにして鍛えるかが重要となってきます。

これを鍛えることで、ヒントから答えに近づき、合理的な考え方を身につけられるようになります。

中小企業診断士は、経営判断が必要になった時に、どれだけ合理的に判断を下していけるかが重要となります。

 

まさに二次試験は、大学などで習った教育などではなく型にとらわれない柔軟な考え方を鍛えるための試験といっても良いものなのかもしれません。

こういうところが、他の試験にはない特徴的なところです。

そんなことから、別の資格で独立している、経営力を身に付けるためにダブルライセンスの取得を目指している方の受験が増加傾向にあるともいえます。

 

管理職として評価されるための能力が身に付く

中小企業診断士の一次試験は、「企業経営理論」「財務会計」「運営管理」「経済学・経済政策」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」という内容になっています。

また、二次試験は、一次試験での知識に加えて、事例をもとにした「組織人事」「マーケティング・流通」「生産・技術」「財務・会計」について論理的思考力を駆使しなくてはなりません。

中小企業診断士は、幅広い知識を必要とされるだけでなく、それを実際に組み合わせて活用する能力も必要とされているので力量が試されます。

 

さらに、能力が磨かれていくことで仕事の質も高まり、「中長期計画の作成」「新規事業の立ち上げ」「人事制度の作成」「資金調達」などの経営する側に近い部分での業務に携わるようになっています。

また、診断士の試験範囲には、組織に関する「組織構造論」「組織行動論」も含まれ」、論理的に組織を運営できる人間について学ばなくてはいけません。

優秀な管理職には、中小企業診断士の資格がなくても同等の能力をすでに修めていることが多いです。

自分が中小企業診断士として同じ目線に立つことで、その管理職が「目指しているものは何か」、「どこにメリットを感じているのか」を察することができます。

 

そういった上の立場の人の考えていることを察して立ち回ることが出来れば、あなたの評価が上がり、当然昇進も早くなることでしょう。

 

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社内・社外からの評価が上がる

中小企業診断士という肩書きは、あたり前のことですが、あなたの評価に影響します。

もし、ほぼ同じ能力の同期争いで、どちらかしか出世できない場合、人事や上司ならどう判断すると思いますか?

どちらかを選ぶには、明らかな理由が必要となります。

そこで、あなたが中小企業診断士を持っていれば経営全般の知識と論理的思考力が立証されているということで、選ばれる理由になります。

 

これは、転職活動でも同じと言えます。

面接官は、即戦力となる人材を求めているので、ありきたりのアピールでは伝わりません。

もしあなたが、中小企業診断士という資格を持っていれば、面接官に強い印象を与えることができます。

 

中小企業診断士を目指すことのデメリット

中小企業診断士は、独占業務ではないので、合格できなかったこととしても、経営に関する広い知識や論理的思考力が身に付けば、十分メリットがあった資格だと言えると思います。

個人的には、デメリットは無いと考えていますが、無理していくつか取り上げてみました。

 

中小企業診断士には独占業務がない

中小企業診断士には独占業務がありません。

たとえば、司法書士や税理士みたいに資格所得後のわかりやすいメリットがないため、それらと比較すると知名度は高くありません。

逆に、独占業務はお決まりの業務になりやすいのでAI代替の可能性が高いと言われています。

将来性を考えれば、経営全般の知識と論理的思考力を活かすことで、業務内容に固執しない柔軟性の高い仕事ができる中小企業診断士の未来は明るいと言えるのではないでしょうか。

 

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合格するまでに平均1,300時間かかる

司法試験をはじめ多くの難関国家資格は、合格するまでに多くの時間をようします。

中小企業診断士は合格までに平均1,300時間かかると言われています。

この勉強時間を有効かつ高率的に確保するためには、今までの生活リズムを大きく変える必要があります。

 

私は、独身(一人暮らし)の平社員だったうちに中小企業診断士の勉強をしたので、残業も家のことも何もせずに勉強だけに打ち込むことができました。

もし、あなたに家庭があったり、役職がついていたら、そうはいきませんよね。

中小企業診断士の試験は、様々な理由で十分な勉強時間を確保できない人でも合格できるように科目合格制度というのを採用しています。

この科目合格制度にもメリット・デメリットがありますが、時間制限のある人は、ぜひ使って欲しい制度です。

 

関連記事:中小企業診断士 科目合格

 

どのような人が中小企業診断士を目指しているのか

中小企業診断士を目指す人は、一体どのような人達なのか少し気になりますよね。

私も中小企業診断士のように独占業務がない資格を目指す人の目的について気になり、勉強の合間に少し調べていました。

中小企業基盤整備機構(J-net21)が2016年に実施したアンケート調査をもとにデータをまとめたものを紹介します。

 

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中小企業診断士を目指す動機

項目 回答数 構成比(%)
経営全般の勉強など自己啓発、スキルアップを図ることができるから 1,215 28.8
中小企業の経営診断・支援に従事したいと思ったから 837 19.9
経営コンサルタントとして独立したいと思ったから 657 15.6
業務遂行上、中小企業診断士の資格が活用できるから 575 13.7
定年後に資格を活用したいと思ったから 493 11.7
転職など就職の際に有利だから 151 3.6
経営コンサルタントとしての信用を高めるため 137 3.3
中小企業診断士の資格を持っていると優遇されるから 106 2.5
その他 41 1
合計 4,212 100

 

一番の動機は、「経営全般の勉強など自己啓発・スキルアップを図ることができるから」でした。
また、受験する年齢層が30~40代が多いようです。

この年代は、上位管理職へ上がれるかどうかの大切な時期なので、中小企業診断士を取得して周りと違いを出そうとしているのが考えられます。

 

中小企業診断士以外の資格を取得しているか

項目 回答数 構成比(%)
なし(中小企業診断士のみ) 597 24
ファイナンシャルプランナー 322 13
情報処理技術者 305 12.3
販売士 205 8.3
社会保険労務士 169 6.8
ITコーディネータ 144 5.8
行政書士 123 5
技術士(補) 78 3.1
税理士 63 2.5
公認会計士(補) 13 0.5
不動産鑑定士(補) 8 0.3
弁護士 3 0.1
司法書士 3 0.1
その他 450 18.1
合計 2,483 100

 

中小企業診断士として全体の能力を上げつつ、他の資格で+αの専門領域を武器にしている人も多いようです。

 

しかし、アンケート調査の結果では1位は「他に資格を取得していない」です。

他資格も取得しているに越したことはありませんが、中小企業診断士だけでも十分だということですね。

 

中小企業診断士の年収

中小企業診断士の年収

 

中小企業診断士の平均年収は740万円と公表(アンケート結果)されています。

日本の労働人口全体の平均年収420万円と比較すると相当高いことがわかりますよね。

ただ、合格したからといって急に年収が上がるわけではないですが、生涯年収を上げたいと考えているなら取得しておくべき資格ですよね。

 

関連記事:中小企業診断士 年収

 

終わりに

中小企業診断士になることにより、メリットが非常に多いということをご理解いただけたでしょうか?

生涯のリターンを考えれば、取得するには早い方が望まれます。

当然、他の難関国家資格同様、合格するためには多大な努力と時間が必要です。

 

ただ、質の良い教材を選ぶことができれば苦労を最小限に抑えられます

良い教材には、効率的な勉強法とコスパの良さが備わっています。

中小企業診断士に興味があるけど、一歩を踏み出せない人は↓の記事を読むとモチベーションが高くなるかもしれません。

 

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